イタリアB級映画、最新にして最高峰

マネッティ・ブラザーズ特集上映


11月11日(金)~17日(木)  UPLINK京都にて上映
11月18日(金)~24日(木)  シネ・リーブル池袋にて上映
11月25日(金) 
枚方蔦屋書店トークショー
11月30日(水)~12月11日(日)  オンライン上映

全プログラム、無事に幕を閉じました。
ご来場・ご視聴の皆さま、関係者各位、何よりもモトックス、サラヤ、日本ツーリストガイド・アシスタント協会、イタリア文化会館(東京・大阪)、朝日新聞社 の皆さま、大変お世話になりました!!ありがとうございました!!
引き続き
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いざ、B級映画の頂きへ

~マネッティとの奇妙な縁~

文◎ポンデ雅夫

 1950年代から2000年代まで、ユニークな俳優たちの活躍を隠れた名作で振り返る去年の好企画「イタリア名優列伝 ちょいワル編」に続いて、今年はどんなスターに出会えるのか。年が明けたくらいから、そんな質問が時々小社に舞い込んでは、僕たちを慌てさせた。もちろん、アイデアはあった。次は女優にスポットを当てる「小悪魔編」でもやってやろうじゃないかと。そこへ、去年のような文化庁の助成は逆立ちしたって受けられないということが判明して、僕たちは意気消沈した。これでは、値の張る過去の名作を上映することはかなわない。世の常として、こちらが悲嘆に暮れても、夜は明ける。ゴールデンウィークのイタリア映画祭に向けて、小社も微力ながら例年通り関わっていく中で、マネッティ・ブラザーズ監督の新作『ディアボリック』がラインナップに入っていることがわかったのだ。ディアボリックと言えば、日本で言えばゴルゴ13やルパン三世に相当するような大ヒット漫画が原作ではないか。しかも、主演するルカ・マリネッリは、今をときめく超売れっ子だ。そこで、僕たちは大きな方針転換をすることになる。見えてきた、見えてきた。マネッティ特集だ。

 僕たちが最初に彼らの作品に接したのは、『映画で旅するイタリア』というイベントで日本初公開した『僕はナポリタン』で、字幕を作りながらメンバー一同すこぶる魅了された。イタリアの警察もののB級映画を下敷きにした派手な画作り。ナポリ弁と標準語の違いをギャグではなく物語に組み込んでしまう巧みさ。ローカルなヒップホップや歌謡曲などを随所に盛り込む音楽的センス。ふたりには、はっきりとスタイルがある。当時、他に観られるものと言えば、ビデオスルーでソフトが出ていた『宇宙人王さんとの遭遇』のみで歯痒い思いをしていたら、今度は2017年に公開された『愛と銃弾』があちらの最高峰の映画賞ダヴィッド・ディ・ドナテッロで作品賞を受賞したという知らせを受けた。そして、翌年春のイタリア映画祭では小社が字幕を手がけることになり、日本でも全国の劇場で一般公開されたのだ。

 平たく言えば、僕たちは勝手に縁を感じていた。マネッティ・ブラザーズは、90年代から今にいたるまで継続的にミュージシャンのMVを演出し、自分たちの映画を脚本・監督しているほか、プロデュース作も多い。B級と言われる映画を愛し、独自の審美眼でブラッシュ・アップ、ブレンドしながら広く大衆的にも批評的にも高い評価を得てきた。これでもそのたった一部に過ぎないが、この兄弟の魅力を本邦初公開のものも含めて立体的に集めてみたつもりだ。勢い込んで胡散臭く銘打った「イタリアB級映画の最新にして最高峰」の特集を、とくとご覧あれ。

イタリアのタランティーノだって?

~マネッティ・ブラザーズまるわかり~

 1968年生まれのマルコ・マネッティと1970年生まれのアントニオ・マネッティの兄弟による映画監督ユニット。イタリアでの表記はスーパーマリオ風にManetti Bros.となっている。ローマを活動拠点に、90年代から有名無名問わず国内ミュージシャンのMVを撮影。2000年代からは、MV制作にも通じるB級感漂うホラーやSFのジャンル映画を撮り始める。その作風はクエンティン・タランティーノを感じさせることも。2013年『僕はナポリタン』で注目を集め、2018年には『愛と銃弾』で国内の最大の映画賞ダヴィッド・ディ・ドナテッロで最優秀映画賞を獲得している。

★長編映画フィルモグラフィー
2000年『吸血鬼ゾラ』(Zora la vampire)
2005年『17階』(Piano 17) ※日本未公開
2011年『宇宙人王さんとの遭遇』(L'arrivo di Wang) 
2012年『恐怖』(Paura) ※日本未公開
2013年『僕はナポリタン』(Song'e Napule) 
2017年『愛と銃弾』(Ammore e malavita)
2021年『ディアボリック』(Diabolik)
2022年『ディアボリック ジンコ警部の逆襲!』(Diabolik - Ginko all'attacco!) 

★プロデュース作品
2006年『イタリアン・チェーンソー』(Il bosco fuori) /ガブリエーレ・アルバネージ監督 
2010年『ウバルド・テルツァーニ・ホラーショー』(Ubaldo Terzani Horror Show) /ガブリエーレ・アルバネージ監督 ※日本未公開
2012年『隠しカメラ』(Circuito chiuso) /ジョルジョ・アマート監督 ※日本未公開
2017年『デス・フロア』(The End? L'inferno fuori) /ダニエーレ・ミシスキア監督
2018年『私が生きたすべての夜』(Tutte le mie notti) /マンフレディ・ルチベッロ監督 ※日本未公開
2021年『地下聖堂の怪物』(Il mostro della cripta) /ダニエーレ・ミシスキア監督
2022年『私とスポッティー』(Io e Spotty) /コジモ・ゴメス監督 ※日本未公開

主催/京都ドーナッツクラブ
後援/イタリア文化会館 - 大阪(京都会場のみ)
特別協力/イタリア文化会館 - 東京
協賛/株式会社モトックス、サラヤ株式会社、一般社団法人 日本ツーリストガイド・アシスタント協会

株式会社モトックス


サラヤ株式会社


一般社団法人 日本ツーリスト・ガイドアシスタント協会